アスベストを含む建築物の調査に伴う分析とその方法

アスベストという物質については、多くの方がご存じでしょう。1960年代から80年代頃までは、断熱材などの用途で多くの建築物に使われていました。しかし繊維が細くて空気中に飛散しやすく、工事に関わった人たちがそれを吸入し、その結果肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫、肺がんなどに罹るようになってしまったのです。その後アスベストの使用は、2006年に禁止されました。

そして今は、これを使った建築物の解体、建て替えの時期に入っています。ここで問題になるのは、解体時にこの物質を飛散させないようにすることで、そのため工事前の調査が義務付けられています。まず書面と目視で調査を行い、その後建材にアスベストが含まれていないかをチェックするための、分析が行われます。分析にはアスベストの有無を調べるための定性分析と、含有率を調べるための定量分析があります。

いくつかの方法があり、前者はⅩ線回折法や位相差・分散顕微鏡法を使って調べます。X線回折法は、X線を当てた場合に得られるピークによって、位相差・分散顕微鏡法は、建築物から得たサンプルを特定の液に浸し、色が変化することによって有無を判断します。X線回折法の場合は、含有率を調べることもできます。その他には偏光顕微鏡法という方法もあります。

これは鉱物が偏光に対して、その鉱物特有の光学的性質を示す特性を利用する方法で、これによりアスベストを含んでいるか否かがわかります。この分析を行った後に、報告書を作成するまでが調査の流れです。

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